王子様たちと私 心切なく締めつける願い・幸せの基準
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 「何でも聞きたいこと言え。いつでもお前に手を出せるこの状況を俺は心の底からご満悦中だ」
「……手を出すって……お話してくれるんでしょう? 私はそれを聞くだけなのに、ちょっかい出されなくちゃいけないの? なんか、それって変よ?」
何だか納得いかないわ、と呟く目の前の愛しい少女に、思わず脱力する。
場合によっては危機感溢れるこの状況を、何の疑問もなく受け入れている時点で何となく嫌な予感はしていたが、予想を外してくれない彼女の可愛い無知に涙が出そうだった。
「……俺のことの前に、ひとつ聞いていいか?」
「なぁに?」
素直に腕の中で微笑むディオネに呆れた表情を向けたアーサーは、心底不思議に思っていた疑問を口に出す。
「お前さ、どういう仕組みで女が子供産むかとか、知ってるか?」
「……えーっと……あのね、私についてくれていた女官の一人が、妊娠して、赤ちゃんを産むからお休みをくださいって言ったの。だから、その子はどこから来たのって聞いたら、将来姫様の旦那様となる人が教えてくださいますよ、お子様を望まれた旦那様と奥様が共有する秘密なのです、って。だから、アーサーが教えてくれるのよね? 私とアーサーだけの秘密なのよね?」
……行き着くまでの道は、ゴールが見えないほど遠かった。
生物学的なところから入らなければならないとなると、やる気も失せる。
「……そうだな、教えてやるよ、近いうちに」
いったい何を考えて彼女にそれらの知識を教えなかったのか。その辺も疑問ではあったが、今はそんなことよりも、目の前で好奇心をいっぱいにたたえたディオネへの応対の方が大事だった。
「とりあえず、その話はちゃんと結婚の話を進めてから。俺への質問を受け付ける」
「はい! えっと、それじゃあね、どうして私に求婚したの?」
「……また、いきなり核心から入るな、お前」
そんな喋りにくいことからなのか、と溜め息をついたアーサーに、ディオネはきょとんと目を瞬いて首を傾げる。
「順番、あったの?」
「……いや、ない。ないんだけどな、まぁ……いいや。えーと、どうしてお前に求婚したか、だったな。簡単に言えばお前に興味があったからだよ。……やっぱり、細かいところまで話さなくちゃ駄目か?」
躊躇うようにディオネに向かって確認しても、にっこりと微笑むだけ。
言外に、言えと促しているようなものだ。
「……俺、昔から何でも出来たんだ。しかも『声を持つ者』で。今太陽の国に『声を持つ者』の存在は確認されていない。……そういえば、月の王国はどうなんだ? どれくらいいるんだ『声を持つ者』は」
「アーサーくらい? ……だとしたら、一握り程度ね。アーサーより影響力の弱い、そうね、例えば……その人がすごく怒ってるときとか、すごく嬉しいときとかだけ声の力を発揮するような、そんな人なら月の王国に生まれた人の3割強、くらいかしら。ある程度の距離を置いて、感情を面に出さないようによーく気を使えば、私でも必要最低限の会話は可能だと思うけれど」
アーサーならもっと制限がゆるくなるわ、と微笑む腕の中の彼女が、人前に出られなかったことを納得する。
他の国であれば数えられるほども少ない『声を持つ者』が3割もいるというのに、それでもまだ彼女にはたくさんの制限がつく。
「……お前でそうなら、ちっとも『声を持つ者』がいないこの国で俺が生きていくのがどれだけ大変だったか、分かってくれるよな?」
問いかけた言葉に、ディオネが頷いた。
「俺のような他とは違うものがいきなり出てくると、柔軟に受け入れられない固い人間が見えてくる。幸い俺は両親にも弟にも恵まれてたから一人ではなかったけど……それでも、子供ってのは周りの感情に妙に聡くて。特に俺は何でも出来て何でも覚えられる分、頭でっかちなやなガキだったから、嫌われるまで時間はかからなかった。……一応弁解しとくが、俺は好きこのんで嫌われたわけじゃないぞ?」
目の前に広がる銀糸をするりと掬い上げて弄びながら、ゆっくりと続ける。
「国王陛下……俺の父さんだけど、この呼び方に意味はないから。俺に気に入られようとしつこく付き纏ってた大人たちをやり込めるには、自分の感情を排除して、とことん突き詰めて冷酷になる必要があった。言葉も出来るだけ難しく、家族関係を持ち込まないように……そう考えて『国王陛下』と呼んでたら、自然とこれが癖になったんだ。それでも、小さい頃は陛下の目の届かない場所でどれほど虐められたことか」
幼い頃……体が小さい、武術の基礎もなってない頃は、いつもぼろぼろだった。もちろん、ばれては困るから見えないところに。それが悔しくて、情けなくて。誰も彼もが敵に見えた。心を許せる相手など、両親くらいだった。
他と違う、それだけでこうして受け入れられないのなら。
他と同じでは上れないような高みへと上り詰めてしまえばいい。
そして、思った。強くなりたいと。誰にも負けないように、手も足も出せないように強く。
 だからオークに、武術を一から習った。彼は、第一王子だからと手加減するでもなく、本当に、容赦なしでしごいてくれた。その頃ついた格闘の傷は、いまだに残っている。
やがて、強さを得たアーサーは、誰もが畏怖を込めて呼ぶ『狂王子』となった。
持って生まれた美貌に強さを備えて、誰よりも高い位置に立った。
それによって、ますますの孤立を経験することになっても……引き下がることは出来ない。
利用できるものを最大限に利用して、体のどこかに穴が開いたような違和感を抱えながら、アーサーは時を過ごした。
「俺は誰に屈することもない強さを得た。両親に、この『声』を聞いても俺のことを心から受け入れてくれる弟が……シーザーがいた。持っているものを使って、面白おかしく惰性に乗って生活するのもまぁいいか……そう思った矢先に、お前の噂が耳に入った」
あれは、無理も無茶も飽きるほどこなし、事実飽きてしまった頃だった。
何をする気も起きない。つまらない生活の中で、突然飛び込んできた小さな噂。
『月の王国の王女は、一目見るだけで虜にされるほどの美貌を備えているらしい』
今まで王国の奥、神殿に閉じこもっていた王女がそんなにも美しいなど、一度も聞いたことがない。かすかな、ほんの少しの興味から、何もかもが始まった。
「それで……月の王国の王女について調べ始めたの?」
「まぁな。それがきっかけ。だから、ホントに色々調べたんだよ。月の王国に関する文献とか、神殿の姫巫女について。王家の特殊性……色々とな」
調べれば調べるほど、面白い不思議な国なのだと思った。
太陽の国であれば、王宮である來宮と太陽神殿はまったくの別物であり、隔離されている。しかし月の王国は、王宮である月霞宮が月神殿を兼ねるのだ。
そして、王家の人間はすべてが神官であり巫女である。この特性はおそらく、月の王国王家に多く誕生した『声を持つ者』の影響だろう。やすやすと出て行けない立場である『声を持つ者』が神職を兼ねることで神聖さは増し、より王家の価値を高める。そうして崇められても破滅を呼ばない月の王国は、非常に特異な存在だ。
「だから、王女が姫巫女だろうなってことは何となく分かってたんだ。予言とお前の生まれた時期が一致するからな。だけど、王女も、歌姫も。ちっとも姿を現さないのはおかしいだろ?」
「……おかしいの?」
「俺に言わせればな。例えば歌姫だが、王宮が保護してるってんならまぁ言い逃れにはなるだろうが、今までの歌姫は確かにあちこちの国を回っていたからな。記録もある」
膨大と言えるほどの記録ではなかった。分厚い歴史書のたった1ページを埋める程度だ。
そのかすかな記録であっても、歌姫の声の魅力が絶大であったことを思わせる文章が連ねてあった。
『その歌声は、世界を救う』……そんな文章を、歴史書に記すだろうか。
その頃まだ歌姫であるディオネは王国の奥深くで大切に育てられていたのだから、その頃のアーサーが歌姫の声の魅力など知る由もない。
信じてなど、いなかった。
「けど、本当に、真実を語る歴史書が正直な真実としてそう記していたのなら。そんな歌声を持つものは、その声を持つが故に大きな危険に晒されるだろう。歌姫の声があれば、どんな人間であろうとも自由に出来る。そう考える輩も必ずいるはずだ。だから、月の王国はその歌姫を大切にどこかで守っているんだろうと、思ったんだよ。……最初は」
最初は、そうだと思った。
納得した。
けれど……ふと湧き上がった嘘のような方程式を、彼は忘れることが出来なかった。
「理由はよく覚えてないんだが、なんかふとした拍子に出てきてさ。歌姫を守るんなら別に、月の王国の誰、って公表して王国で守りつつ歌声を披露したって何の問題もないんじゃないかって。だとしたら、歌姫は外に出せない何らかの事情があるわけだ。顔を見られたくない、外に出すことも出来ないほど危険に晒されている、名前を明かすことの出来ない大きな理由がある……」
そんなことを延々考えていたら、笑ってしまうほどとんでもない答えが出た。
「ぐるっとひと回りして出てきた答えは、歌姫が王女で姫巫女。これははっきり言って、かなり無茶苦茶な答えなんだけどな。忘れるにはちょっと素敵な答えすぎて」
もしもそうだとしたら、王女が王宮の最深部で側仕えしかいない生活を送っていることにも納得がいく。
「だから、俺の運のよさに賭けたんだ。その頃には……俺はもう、この太陽の国では『狂王子』で通ってたからな。この『声』がある限り、国民に俺の選択を納得してもらえることはない。その選択を、『声』で受け入れさせているとも取れる。だから……物心ついたときから、王位を継ぐわけにはいかないだろうなって、朧ながらに思ってた」
第一王子に生まれたから……そんな理由で王位につくのは馬鹿らしい。
普通と呼ぶにはあまりに違いすぎる自分が絶対に王位につかなければならない理由はないし、そんな、民の意思を左右するような声を持つ自身が王位に就くことは、その頃から抱いていた理想の国の在り方に反する。
己の力ではどうにも出来ない部分が、理想を邪魔する。築きあげたいものを壊してしまう。
「……それくらいなら、シーザーもいるんだから、俺は王位なんてものにしがみついてる必要はないって、そう思ってさ。だから捨てたんだ。そして、俺の運に賭けた。王女が歌姫なら、俺の声に影響されることもない。理想通りの女じゃないか。これが当たってたとしたら、その歌姫の声はどれほどのものかって楽しみにしてたくらいだ」
そうじゃなくても、月の王国は『声を持つ者』に寛容だからな……そう呟いて、腕に抱き込んだ本人を見つめる。
「……だから、求婚?」
「そう。将来を決める運試し」
『狂王子』と呼ばれる所以は、そんな後先を考えない思い切った行動にもある。
分かっていて、そうしたのだ。
軽はずみな行動を取る『狂王子』にこの国の王座など渡せない……第二王子でなければならないのだと、そう思わせる必要もあった。
そして、彼女と出会い……その純粋さに、率直さに……曖昧にしてきた自分の中の空白が埋まる。
従わせるでもなく、ただそばに誰かがいる、そこにいてくれる幸福。
今までの時間を『家族』以外のものと過ごしてきた経験のないアーサーにとって、その存在自体が幸せの象徴だった。
いつしか、それ以上の意味を占めるほどに。
「そこまで色々調べてるのなら、わざわざ私に喋らせることなかったじゃない。ちゃんと言ってくれればよかったのに」
「だって、お前黙ってるのはいいって言ったじゃないか。それとも、ばらされたかったのか?」
からかうような言葉にも、彼女からは素直な反応が返ってくる。
「それは困るけれど、でも、ひどい」
「何だよそれ」
腕の中で可愛らしく拗ねた仕草をとるディオネに、首を傾げてみせた。
「……だって、アーサーは知ってる上で私を見てたんでしょう? ……面白がってた?」
「まぁ……確かに面白くなかったって言ったら嘘だけどなぁ……確信はしてなかったからな。そうなんじゃないかなぁくらいの気持ちだったんだよ。いつだったかなー……そうだ思い出した、お前が『男神の血』を見たときあたりだな。あの時、この石のこと知ってただろう? 最近、ちっとも見つかってないもんだから、この石の存在自体が忘れ去られ始めてるんだよ。そうでなくても、一般市民の手の届く価値じゃないから、知らないことが多い。それを知ってた上に、あのものすごい共鳴だろ? なんかそういう、神々に近しい存在なのかなと思ったんだ」
月神殿にいる神官や巫女たちは、静かな『女神の涙』を管理している。
『涙』に宿るのは女神の力の残滓でしかないためか、その波動は柔らかで静謐。
しかし『男神の血』は力の結晶にも似たものだ。
いつもかすかな神の気配を纏う月神殿に住まうものは、穏やかな濃い神気にはそれほど大きな反応を示さないが、『血』のような荒れ狂う力の塊にはひどく拒絶反応を示すのだと言う。
「そのあと、部屋で……お前、ものすごく『お姫様』に拒否反応示しただろ? 怯えてるみたいに。だから、その時点でもう何となく賭けは勝ったなって半分くらい確信して」
あのときの彼女の驚きは生半可なものではなかった。
他国に来てからさほど経たない月の初めあたりに、彼女はたくさんのぼろを出した。
すでにある程度の見切りをつけていたアーサーには、それで十分だったのだ。
「それからあんまり経たない頃、お前、歌ってなかったか? 夜の夜中に」
「……だって日課のようなものですもの」
別に咎めてるんじゃないって、と頬を膨らませたディオネに笑いかける。
「あの時、自分のこと言っただろ、王国から『出られない』歌姫……出ない、じゃなくて、出られない、だ。けど、お前を見る限り身体が悪いとか、そういうのではない。国への恨み言もない。王国を一歩も出なかったのに、お前は歌姫としての誇りを明確に抱いていた。ってことは、お前は王国に閉じこもっていたいわけじゃないのに、王国に閉じこもらなければならない理由があったんだ。まぁ、そのときに多分こいつは王女なんだろうなと思った。……さすがに、品定めだとは思わなかったがな」
苦笑を浮かべて、かすかな距離を埋めるために彼女を抱いた腕を更に引き寄せた。
「こうしてベッドの中で色々話が出来るのなんて、お前くらいだろうな」
囁いた言葉に、ディオネが顔を上げて真っ直ぐな視線を返す。
「……他の人に、試したこと、あるの?」
「気になるのか?」
ぱちぱちと目を瞬いて首を傾げる姿に、アーサーの言葉の意味はおそらく通じていない。
「一応何度か実験してみたが、やっぱり五分ともたないな」
何度などという軽いものではないが、結果は事実だ。
こうしてのんびり寄り沿って、微笑みあって会話など出来るはずもない。
「私、こんな風に誰かと一緒に眠れるなんて、思っても見なかったわ」
目の前の柔らかな笑みに誘われるように、ディオネが穏やかに笑った。
そっと顔を伏せて、胸元に頬を寄せてくる彼女が愛しい。
「きっとこれからも一人で生きていくんだって思ってた。こうしてお話しするなんて、夢のまた夢だと思ってた。でも、今こうしてる奇跡がある。アーサーがいる。……どうすればいいのか分からないくらい、嬉しいの」
「……俺も一時期そんな風に思ってたな。このまま結婚も出来ないまま一人きりで人生終えるなんて考えたくもない。……だからだ。それが嫌だったから、月の王女に賭けたんだよ。俺の、一生を」
お前にだ、とそっと銀の髪を撫でれば、彼女は緩やかに顔を上げた。
潤んだ瞳が、アーサーの姿を映す。
「アーサーが……私に?」
耳に響く声に、衝動が揺さぶられる。
甘やかなそれが全身に行き渡る。胸を、かき乱す。
それは内臓の奥で、大きな蝶がばたばたとざわめいているような、嫌な衝動。
手放してしまえば楽な理性を、必死に繋ぎとめる。
まだ、今の彼女には早いから。
「……そう。俺は、お前に俺の一生を賭けたの。お前が王女じゃなけりゃもしかすると俺はお前を選んでたかもしれない。……でもまぁ、この仮定は、したってどうしようもないんだけどな。現実にお前は王女で、歌姫なんだから。考えるのは馬鹿らしいだろ?」
かすかに不安げに揺れた瞳の色を見逃さず、アーサーはさらりと続けた。
「俺は、お前がいいの。王女だからでもなくて、歌姫だからでもなくて、とんでもなく強力な『声を持つ者』で、俺に口答えしてくる生意気で元気で、なのに時々心臓が止まるくらい綺麗だったり神聖だったり、色っぽかったりする、お前がいいんだよ」
地位も、価値も、何もいらない。
彼女のままであれば、それでいい。
「お前はホントに俺でいいんだな?」
最後の質問。
呟いた言葉に、彼女から答えが返ってくる。
「私は、アーサーがいいのよ。……アーサーじゃなくちゃ、駄目なの」
どうしてかしら、と苦笑混じりに返ってきた答えに、満足げな笑みを浮かべる。
「……それじゃ、今日はここまでな。また、聞きたいことあったらいつでも来い。話してやるし、話も聞いてやるから。……お休み、お姫様」
アーサーがするりとベッドから抜け出して、部屋に灯されたランプの火をひとつずつ消していく。
囁きに応じることもなく、ディオネの視線はゆっくりと動くアーサーの背中を同じように追いかけていた。
「……なんだ? 物珍しいか? それとも、真っ暗だと寝れないか?」
ベッドサイドのテーブルに置かれたやや大振りのランプの火を消そうとして、ついてきていた視線の主に問いかける。
ディオネは、閉じかけた瞳でぼんやりとアーサーを見つめ、ゆるく首を振る。
「じゃあ、何でさっき俺の背中追いかけてたんだ?」
なんかついてたか? と訊ねられ、彼女の首はまた左右に揺れる。
「じゃあ、何だよ?」
アーサーの訝しげな声に、ディオネはそっと彼の衣装の裾を握った。
「……暗いのも、寒いのも平気だから。一緒にいて? 一緒に、寝させて?」
どこにも行かないでね、と静かに囁かれて、ざわりと全身に熱が回る。
「……心配しないでも、一緒に寝るから。今日は生殺し覚悟だから」
無理やりにねじ伏せるのは、彼女を傷つけないためではなくて……これからの自分のため。
無茶をしてこの先がなくなる方が怖い。
「……生殺し……?」
「まぁ言葉の意味はまたそのうちな。ほら、そっち寄れよ」
広いベッドの上で、身を寄せ合う。
「……お休み、お姫様」
柔らかな銀糸をかすかにすくって、手に閉じ込める。彼女の表情は、今にも眠ってしまいそうな安らいだもの。
「……おやすみなさい……私の、王子様」
穏やかな眠りに引き込まれた少女の柔らかな笑み。
起こさないようにそっとその額に口付けると、彼も同じように深い夢へと沈んでいった。




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