王子様たちと私 あとがき
というか自主的反省。自発的検閲。
意味:裏話・伏線を張った場所・補足説明などなど含むあとがきのようなぶっちゃけ話。
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 初めましての方も、こんにちはの方も、どうも、深耶紅音です。
こんな長いだけの話を読んでここにたどり着いてくださった皆様、心から感謝いたします。
そして、もし、あとがきから読むんだ!とか言う方いらっしゃいましたら、やめといてください。
このサイトのあとがきには、ネタバレしか含まれてません。しかも今回特別サービス、親切丁寧に隅の隅までびっしりとネタバレしか書いてません。
なかなか見つけられない場所にあるあとがきなのでこれから読む方なかなかいないと思いたいんですが、念のために。(念入れすぎ)
…あと、全部読破した方でも、スクロールバー見ていただければ分かると思うんですが本編並に長いです。
カップルに88の質問とかイラスト目当てでいらした方は、一番下までスクロールしてください。ちなみに、質問も猛烈なネタバレです。

前置きはそのくらいにして、それではそろそろ、本当にあとがきに入りたいと思います。


  ◆はじめに
 さて。1周年記念のイベントの一環として、完結させると予告したおかげで、感慨深いやら疲れが肩にがっちり来てるわ、睡眠不足もここに極まれり、そんな感じで結構疲労困憊です。
自分でも更新できるんだろうかとびくびくしてましたが、なんか出来ちゃいました。絶妙のタイミングでやってきた春休みのおかげでしょう。
それでも、ディオネ嬢が幸せになれる(予感がしてきた)ので、私は十分満足です…。相手がだってあの馬鹿だもんなぁ…。
 …それはおいといて。
このお話は、結構前からありました。高校入ってすぐ、もしくは2年のころですか。あっただけで書いてなかったわけですが。
それを、サイト作る時に引っ張り出してきて、選択の基準は『自分がこの先も書き続けられる、最後を見たい話』でした。
と言うことなので、連載期間はやっぱし1年くらい、といったところでしょうか。
当初は女の子一人に、男がいっぱい群がる話、だったんですが、今は女の子に一人の男が付きまとい、二人を取り巻く環境をからめた話、という感じになってしまいました。
今のでも十分満足ですが。…逆ハーレム話は自分には書けんってことなんだなぁ。いつぞ絶対書いてやる。

…ちなみに、どうでもいい話ですがこのお話の個人的テーマフラワーは薔薇、しかも赤薔薇です。ホントにどうでもいい話。

 それではまず、ネタばらしに入る準備。
私はキャラの敬称を以下のように使っております。
ディオネ=ディオネ嬢
アーサー=アーサー(もしくはあの馬鹿・エロ王子)
オーク=オーク様
フロッド=フロッド(くん)
ブレス=ブレスさん(様)
光の歌(シング)=シング
シーザー=シーザー君

 こんなもんでしょうか。この敬称はこれから始まる裏話だの解説だのに反映されるのでその辺はご了承のほどを。…作者がどういう順番で敬っているのかがまる分かり…。


  ◆お話には出てこない設定
 ○ディオネ=クレセント(ディーネ=クレス)
嘘っぽいけれどれっきとした主人公のディオネ=クレセント嬢。
初期のネタ帳の中身を見て、現在と比べて見ます。
ディオネ嬢が国から出られないのは、今は『人在らざるものに愛されすぎているから』となってますが、ネタ帳によると『他の国の王子たちに求婚されているから』と、明らかにこじつけな感じの理由です。しかも、ネタ帳の中ではオーク様も求婚者の中に含まれているみたいです。これを最後まで書こうと思ってから詳しく書き直したネタ帳で現在の設定になりました。その美しさは相変わらず変化なし。やはり一番変わっているのは言葉遣いですね。ディオネ嬢は今より砕けた言葉遣いをしてます。
「〜なのよねぇ」だとか、「〜しちゃうわよ?」だとか。すでにこの時点でディオネ嬢はディオネ嬢じゃなかったようです。

 ○アーサー=プリズム
きっとほとんどの方が「お前が主人公だったんだろ」と突っ込みたくなるくらい出張ったヒロインの相手役アーサー=プリズム。
初期のネタ帳でもその性格の悪さは健在です。ちょっと違うのは、外見と剣の腕が世界一、なところです。
どうも、シーザー君もいなかったようです。
更に、初期ネタ帳の中にメモられている(現在の最終日・4に該当)会話の中で、このエロ王子露骨に「やらせろ」とぶっちゃけてます。そしてディオネ嬢は「結婚する気あるんならね」と、これまたさらりとゴーサインを…。いけませんディオネ嬢っ、作者(おかーさん)はそんな育て方をした覚えはありませんっ!!もし二人がこのままいってたらと思うと…サイトの雰囲気変わったろうなー……。
恐ろしい話です…。

 ○オーク=ティンバー
ちょっと他の王子たちよりは優先順位の高いオーク=ティンバー王太子殿下。
オーク様、なぜか当初はフロッドのような役回りでした。金髪碧眼、ナルシストで武術は全滅の優男。でも、木の国の王子様が金髪碧眼ってなんかイメージ違う、それならいっそ水の国の王子にしよう、と変更。現在のオーク様になりました。

 ○フロッド=スプラッシュ
脇役の割になんか自分の中で印象深いフロッドくんはオーク様の部分でちょっと触れたように、最初からナルシストであんな美形じゃなかったです。
要するに、初期ネタ帳ではオーク様とフロッドくんの役回りというかプロフィールがすべてひっくり返ってます。フロッドは特に、改心(?)してからの変貌振りが…。あのお気楽で考えなしなキャラクターと発言に幾度救われたことか。

 ○ブレス=ストーム
フロッドに並び脇役なブレス様は本当にちっとも変化のない、良くも悪くも特徴のないキャラでした。
……暴走するのはこの人が一番でしたが。
お兄様とのエピソードは、当初なかったです。どうしてこういう筋書きになったのか…ちょっと今でも謎のままです。


  ◆各章での秘密トーク
一話ずつのコメントだとか裏話だとか伏線張った場所とかちょっとしたショートショートだとかがありますが、各章へのリンクを貼ったりはしませんので。
って言うよりむしろ、ここ読んだらこの話はもう封印してやってください。(笑)

  * 前夜
 出だしは、語りというか、状況説明から入るほうが多いようです、私。『女王と〜』もそうだったし。最初はディオネ嬢を主人公に据えていることがはっきり分かると思います。
滑り出しは順調。そしてディオネ嬢初の外国(笑)体験。
最初っからアーサーと出会うのが作為的…。


  * 薔薇の花園・自らについて
 アーサー恋心を抱くの巻。…なんか誤解を招く言い回し。
皆で顔合わせの巻。太陽の国国王陛下唯一の出番の巻。…なんか違う…。
シーザー君初登場の巻。これにしよう。
シーザー君のブラコンっぷりが炸裂。アーサーにとっては日常でも、兄弟のいない閉鎖環境で育ったディオネ嬢にとっては新しいことばかりです。
なんだか陰のある人たち、けれど彼等がディオネ王女の求婚者で。ホントにこの中から選ばなくちゃならないのかしら、とか思ったでしょう。


  * 月の見える夜・嘘とは
 ブレス様さっそく大暴走。嘘をつく人、それはブレス様のお兄様を意味しています。だから『長子』なんです。
自らが有利になるのなら、誰にでもどんな嘘でもついてみせる。
そう嘯いたアーサーに、ブレス様は静かに感情を覗かせます。
それを分かっていて、誰と自分を重ねようとしたのかと、追求するアーサーを振り切ったブレス様は今後アーサーとの関わりを出来るだけ絶ちます。
これより後、『心地よく馨る風・才能とは』にて、この話題は深いところまで掘り下げられます。気の早い伏線です。

そして、アーサーはたった2日に満たない時間を共有しただけの歌姫に、思いがけない感情を抱き、思いがけない約束をします。
破ることは彼女との決別を意味するとわかっていながら、守れるかどうかも分からない約束を交わした理由。
それが、絶対に持つことはないだろうと思っていた感情の芽生え、です。


  * 陽の刺さる闘技場・闘う理由
 オーク様とアーサーの楽しみ。数回に渡って繰り返されているこの『会合』は、お互いが磨いた腕を競い合うために開かれています。
アーサーは特に、オーク様との武術の試合を楽しみにしています。乗り越えたい壁は、小さい頃から稽古をつけてくれていた本人。
太刀筋も剣の構え方も彼から教わったのだから、なかなか乗り越えられないのは当然。それを乗り越えることで己の力に自信が持てる、自分を信じられる。
明確なアーサーの意志に、オーク様がかすかに揺らぎます。
第一王子でありながら『己』を優先させるアーサー、第一王子であるからこそ『国』を優先させるオーク様。
そこでひとつの歪みが生まれます。


  * 星の降る空・美の基準
 フロッド君盗み聞きの巻。
二人っきりの時間を邪魔されたアーサーは不満顔ですが、発見されてしまったフロッド君はもっと不幸。
話としては、とにかくこの辺でアーサーに『歌姫=王女』だと確信してもらおうかと。
ディオネ嬢はまだ慣れない『歌姫ディーネ=クレス』に四苦八苦。それでも、相手はアーサーなので、どうしようもありません。
前夜でしつこく自分の中にいついていた『美』の概念が、ちょっと違うものになって、ディオネ嬢に肯定的な言葉をもらって、救われた、というか。やっぱりこいつを手に入れたい、と改めて決意を…。


  * 力量られる武道場・己について
 オーク様やさぐれ、ぶっちゃけ暴露話爆発。
アーサーはこの回、ちょっと痛い思いしてもらいました。尊敬して、敬愛していた人から否定されたアーサーは、そりゃあもうつらかったことでしょう。多分。
それでも前に進めたのは、前回ディオネ嬢に肯定されたから。前回の話題で自分自身を肯定してもらったような錯覚に陥っていたアーサーは(事実ディオネ嬢は肯定してるんですが)自分の精一杯で一歩踏み出します。
第一王子でありながら『声を持つ者』であり、類稀なる美貌を持って生まれ、孤立して『己』を優先させていくしか術のなかったアーサー。当然、ごく少数の味方を残してあとの誰もから否定された。
かたや、人並みの外見を授かり特別な扱いなどは受けることなく、第一王子として『国』を優先させ、民に肯定されたオーク様。
色々なことも思い出せば、アーサーが幸せな思いをしてきたとは考えられないのに。
思わず自分の勝手な思い込みに任せて発言したことを素直に謝れるオーク様は、それだけで十分立派な人格を備えていると思います。


  * 深く染みる森・挑戦とは
 フロッド君改心の巻。またの名をアーサーこっそりやきもちの巻(苦笑)。
フロッド君の昔話。ナルシストの理由も発覚。ナルシストというよりも、彼の場合は思い出が薄れていくのが怖くて、自分の顔に依存していた、って感じですね。
アーサーは別に、フロッド君をずたぼろにする気はなかったんですが、ディオネ嬢がとどめを刺すくらいなら、後で彼女がしたことに泣くのなら、彼女を止めたかった。
もしそのことで彼女が自分を非難しても、彼女が傷つくかもしれない何かから守れた、それだけで自己満足。そこまでアーサーはディオネ嬢にやられております。
フロッド君もこの回のおかげで打たれ強くなって、アーサー・ディオネ嬢の『声を持つ者』の声にも多少の耐性がつき始めます。
だから今後、アーサーと口論が出来るんです、とここで言い訳。


  * 静けさ響く図書館・結ぶ理由
 ここで久しぶりにブレス様参上。
といってもかなりちょろっと役ですが。近づかないようにと思っても、次々に変わっていく『会合』メンバーの姿に驚きを隠せません。
今までちっとも変わらなかったのが不思議なくらいに、彼らの関係は良好になっていきます。
すべては、歌姫の参入によるもの。彼女の登場でアーサーが変わり、アーサーと彼女が次々と変化をもたらす。
ブレス様は、まだ変わりたいとは思ってないでしょう。あの歌姫がいるから、あの歌姫の影響なんだ、だからあのアーサーが変わったんだと思うとかなりディオネ嬢に恐怖を感じませんか。
私はどっちかって言うと、ディオネ嬢すげー!!っていう気持ちが大きいんですが。
で、変化を遂げた『会合』メンバーで、ちょっとした世間話。
アーサーとフロッドが仲良しっぽいです、この辺から。
アーサーが第一王子って言うのは結構主張してきたつもりだったんですが、オーク様は『王太子』でアーサーだけ『第一王子』って不思議な感じがしませんでしたか。
あれは、アーサーに王位継承の意志がないと、そういう意味だったんです。
だからここで、ちょっと主張。アーサーは王位を継がない。月の王国の王女に求婚している。さて、何故なんだという伏線?ちょっとした疑問を投げかけてみたり。


  * ただ懐かしき闇・善悪の基準
 アーサーとシングの二人っきりでタイマン勝負。
お題はディオネ嬢について。
この回は伏線の嵐です。
ナイン・アルスの話だとか、声を持つ者、ひいては神の子について。シングの存在が可能とすることなどなど。
下世話な話は、アーサーの得意ジャンルです。


  * 意志貫く弓場・望みについて
 この回と次の回では、ブレス様に視点が置かれます。
ブレス様も改心してもらわないと。改心、というとちょっと誤解あるんですけど。何と言うのか、誤解を解く、かなぁ。
話の中でアーサーが言っている通り、風の国は弓術が非常に盛んです。ブレス様も、当然弓術は人並みに身につけております。
風の国の人並みは、他の国の手だれレベルですが。兄弟、というキーワードでブレス様を挑発します。
お兄様のことがあるから、あんまりそういう方面で兄弟愛を見せつけられるとブレス様もさすがに癪に触ります。
怒ってしまいました。そのまま、なだれ込むように次の回へ。
↑の会話自体が既にアーサーの計画どおりって言うのが非常にむかつきます、自分で書いといて。


  * 心地よく馨る風・才能とは
 ブレス様の過去話、そしてアーサーの過去話。
後者は、シーザー君の語りも入ってますので大いに脚色ありでしょう。
でも、途中から乱入のアーサーに、とんでもない話を聞かされます。アーサーとお兄様の共通点。選んだ別の道。
ブレス様は、フロッドよりもアーサーよりも大人で、精神的にとても成熟しています。…言い方変えると、枯れてます。
だからこそアーサーの言葉で納得、むしろあきらめられるし、そんな話が聞けただけで十分だと、満足してしまうんです。
この話で一番幸せになってほしい人、実はブレス様だったりします。あんまり目立たないけど、アーサーに次いで重たいものを背負っていたと思うので。


  * 祈り捧げる神殿・求める理由
 最後に向けてのラストスパート。とにかく、ここでアーサーを強引に婿にしてしまわないとディオネ嬢が拗ねてくれない。
ディオネ嬢としても、歌姫である『ディーネ=クレス』と王女である『ディオネ=クレセント』の間で感情は行ったり来たりだし、両者であることを明かしていないって言う矛盾があって怒るに怒れない。
だから拗ねっ子。アーサーの微妙な対応が悪かった、これから怒涛のようにアーサーが苛め抜かれます。楽しかった…。
アーサーは一度こてんぱんにやられるべきだと思います(こんなこと言ってるのアーサーにばれたら死に目を見ますが)。


  * 想い届ける言葉・恋の基準
 アーサーとディオネ嬢の大喧嘩。アーサー一人勝ち。
しかも、やってしまっています。勘弁してください。この馬鹿はもう留まることを知らずまっすぐにディオネ嬢に向かって突っ走ることしかしません。
ディオネ嬢にとっては決死の喧嘩。もうばれてもいい、嫌われてもいいからはっきりさせたい。そんな気持ちで、そんな覚悟でアーサーに訴えた彼女を待っていたのは、キレたアーサーの最低の応酬。
ディオネ嬢ぼろぼろです。完敗もいいところです。
アーサーはもう、開き直ってます。これで公然と手出しできる、それくらいにしか考えてやがりませんこの馬鹿。
そしてそのまま寝ずの夜を過して、仕置き人・オーク様の待ち伏せに出会います。


  * 心安らぐ川辺・理想について
 アーサーやられキャラになるの巻。
いい気味です。仕置き人・オーク様の厳しい追及によってついに吐いたアーサーの本音。
アーサーにとってはシーザー君は大切で、いつまでも可愛いままで、自分の後ろをついてきてくれる。
けど、いつのまにかシーザー君もそれだけじゃなくなって。アーサーがフロッド君に言った言葉、そのまま帰ってきてますね。妹も弟も、成長するんです、いつまでも可愛いままではいてくれません、とそういうことで。
アーサーが吹っ切れたところで、アーサーに異変が。
『男神の血』が反応したのは、突然太陽の国に『女神の涙』の波動が進入したから。普段は月の王国で完全に管理されているはずの『涙』が持ち込まれたことで共鳴を起こします。
ここで、シーザー君が何ともないのは、お話上の都合でもあります。もしくは、シングが故意にそうしたのかもしれません。
アーサーのつけている『男神の血』の共鳴のみを更に拡大した、創世から生きる“光の歌”になら出来るんではないでしょうか。
ちなみに、アーサーが走っていった後のその場の会話がここに。入れるか入れないか迷ったんですがやめたのでこんなところでリサイクル。

(本編の後、残されたオーク様とシーザー君の会話)
「あの……オーク様」
取り残されたシーザーが、同じく置いていかれたオークに向かって首を傾げる。
「どうした?」
「無知な僕が悪いのですが、ご教授願えますか?」
彼と同じ年頃だったアーサーには劣るが、十分顔立ちの美しいシーザーに礼儀正しく訊ねられ、オークも普段よりはずっと穏やかな表情でそれに応じた。
「ん?何のことだ」
しかし。
「兄様が言った『据え膳』って、どういう意味でしょうか?」
勉強不足で、申し訳ありません、と続けたシーザーの言葉に、それは明らかな勘違いであり知らなくてもいい言葉なのだと延々諭してやりたかったが、こんなときだからこそアーサーを困らせてやればいいのだと自分を納得させて、オークは苦笑交じりに首を振る。
「……アーサーに、直接教わるべきだな、それは。言葉の意味であれば、アーサーであっても教えられるはずだ……おそらく」
きっと、とか、多分、という言葉が最後につくあたり、やはりアーサーは基本的に教師には向いていないような気がするのだが。
そうですか、とひとまず納得したらしいシーザーに、オークもほっと息を吐く。
しかし。
「それでは『手を出す』というのは……?僕の知っている意味では、何だか腑に落ちないのですが」
「……いや、そ、それは……」
アーサーへの信頼、尊敬が根付いているシーザーは、まず最初にその言葉が何らかの重要な意味を持つのではないかと考えてしまう。
大きすぎる間違いを犯しているシーザーの言葉がようやく収まった頭痛を再発させる。
オークは空を見上げて溜め息をついた。
青い空の頂上に昇った太陽は、何一つ答えてくれない。


  * 心乱す異変・真実とは
 すっごく脇役もいいところのにわか敵役ナイン・アルス登場。彼のフルネームは、ナイン・アルス=イヴィル、という設定になってます。
だから、ナイン・アルス、で名前です。長いのでみんな呼びませんが。
ディオネ嬢は、自分よりもそれ以外の命を優先します。
それが自分の出来る最良の道だと思って、踏み出します。
捨てきれない思いも全部、持っていけばいい。心残りな思いも全部、忘れてしまえるだろうから。
アーサーも、きっとすぐに自分のことなんて忘れてしまうだろうから。
ディオネ嬢はそんな風に激しい誤解を抱いてらっしゃいますがアーサーは忘れるなんて選択肢を持っていません。
当然の如く走り続けます
そして、遭遇。アーサー衝撃。お前は痛い目を見ればいいんだっ(おおっぴらには言えない)。
その後が見せ場です。アーサーにディオネ嬢の名を呼ばせるわけですから、いくら鈍いディオネ嬢でも、名前呼ばれたらばれてるんだって事くらい気づくでしょうし。
…気づいてくれないと困ります。
ディオネ嬢の揺らいでいた気持ちは既に明確な形を抱いていたので、アーサーの声で引き戻され。
その後は、無体な行為を働いたナイン・アルスの手にある『女神の涙』、しかも女神の力を降ろしてきたものが暴走。
ディオネ嬢は女神様の声を聞きます。

 気がつけば、そこは荒れ果てた部屋。アーサーと自分。
普段では考えられないくらい優しいアーサーに、自分の身へと降りかかった事実が重くのしかかって。
ディオネ嬢には、素直にアーサーへすがりつくことが出来ません。己の身がどれほどの危険を呼び起こすのか、改めて知ったから、でもあります。
アーサーに迷惑をかけたのも事実だし。それでもアーサーにとってはディオネ嬢でなければならないのだから、ってことでアーサーはディオネ嬢を掻っ攫います。


  * 心躊躇う部屋・偽りの理由
 ディオネ嬢言い訳の巻。
またの名を、アーサーやりたい放題の巻(泣)。誰か止めてやってください。
何も言う言葉が見当たりません。もう、あの馬鹿……。


  * 心切なく締めつける願い・幸せの基準
 アーサー過去を語るの巻。
またの名を、アーサーいい加減やめてあげろよの巻…(滂沱)。
子供の話ですが、ディオネ嬢は、本気でそう思っています。それを説明するのはかったるいので、アーサーは当分そういう行為には及べません。
絶対。…なんか、ページ真っ黒ですね。書きたいことがたくさんあって、収まりきらなかったんです。
アーサーが口説きモードに入ってるなと、それはわかります。アーサーにあそこまで言わせるんだから、ディオネ嬢はたっぷり愛されると思います。色んな意味で。
 アーサーの過去話。まだまだ書き足りません。
アーサーのすさんだ過去、書きたくて仕方ありません。


  * 後日
 微妙にギャグ風味(苦笑)。
書いてて楽しかったです。
皆様、お疲れ様でした。


  ◆ラスト
彼らはこうして、新しい時代をつむいでいきます、その第一歩は、始まったばかりです、といった感じの、先が見える終わり方、したかったんです。
事実二人には月の王国を担うという未来が広がっているわけだし、オーク様やブレス様、フロッド君もシーザーにもそれぞれの未来があります。
書けるもんなら書きたい…。書く機会があれば、猛烈に書きたくなったら、ぼちぼちアップしたいと思います。

 終わった疲労も相当なものですが、まだ書きたいと思う気持ちもかなり残っています。
そうして、結局私の書くお話は終わりが見えないままなんだろうなと、勝手に思ったりしておきます。

 皆様、ここまでお付き合いありがとうございました。
また、どこかでお会いできれば嬉しく思います。







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王子様たちと私 あとがき
というか自主的反省。自発的検閲。
意味:裏話・伏線を張った場所・補足説明などなど含むあとがきのようなぶっちゃけ話。