ちょっと考えたこと。

 『人が死ぬ』ということに、ほんの少しだけ触れた気がした月曜日の夕暮れでした。

 私は直接面識があるわけでも、血の繋がりでさえかけらもないのに、何故か涙がこぼれそうになるのを抑えることに、多大な努力を要しました。

 泣きたいのは私じゃないのに。私は何も知らないのに。
どうして泣いてるんだろう?

 理由は結局、分かりませんでした。
ただ、とても辛くて、怖くて、どうすればいいのか分からなくて。

 しがみついて離れられなかったのは、やっぱりそれが原因ではないかと。

 もし、自分の親類縁者に『死』が訪れたら、私はきっと、すぐには立ち直れないんだろうと、改めて確信もしました。

 たくさん泣くだろうし、しばらくは元には戻れないだろうな。

 生きていれば、いつか必ず『死ぬ』事が分かっていても、それをどこかで否定したいと思う部分が、ある。だから、昨日も急に涙が出たんだろう。

 誰にも死んで欲しくない。そういう考え方は絶対間違ってる。

 でも、何処にも行って欲しくない。ちゃんと笑い合える、そうであって欲しい。

 ―無茶な欲張り。こればっかりは、叶えられる人なんていないのに。

 その日の夜、お風呂に入りながらちょっと考えました。

 出来たら、私は大切な人より早く死にたい。

 置いていかれるのは、絶対にイヤだ。

 私の知っている誰よりも早く。

 誰かの『死』を経験するたびに、泣いて泣いて、立ち直れなくなるのは、イヤだ。

 私のそばの人が消えてしまったら。私は二度と今の私には戻れない。

  ただ、これは所詮、まだ誰の『死』にも出会ったことのない、知ったかぶりの私だから思うこと。


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